みずたま色の空

こどもやごはんや日々のこと。

病気持ちなので妊娠するとは思っていなかった

妊娠体験記の第一号記事(マタニティマーク)で「私は問題のある妊婦だったので」と書いたから、それについて次は書こうと思う。

問題のない、順調な妊娠出産をする人の方が多いのだろうけれど、妊娠出産は誰にとっても命懸けだ。私がそれを知ったのは自分が妊娠してからで、更に良く知ったのはつい最近漫画コウノドリを読んだから。ドラマコウノドリを見た方も私と同じように妊娠出産が安全なものではないと初めて良く知ったという人が多いのではないだろうか。


私の場合、また更に少し特殊だった。
私はSLE(全身性エリテマトーデス)という病気を持っている。合併症として抗リン脂質抗体症候群という病気もある。
せっかくなのでそれぞれのリンクを貼っておく。


抗リン脂質抗体症候群は流産を繰り返すことが多く、そもそも妊娠もしづらいそうだ。またSLE患者にとって妊娠による体の変化は病気に大きな負担となることもわかっていた。毎日服薬しているから妊娠したいのなら薬のコントロールも必要だった。
26歳で病気がわかったとき、私は結婚願望もほぼ無く子供が欲しいと思ったことは一度もないという状況だったけれど、一応主治医に聞いてみた。
「この病気になったら子供は産めないんですよね?」
すると主治医はこう言った。
「病気でも産めます。そのために私達がいるのです」
かっこいいなぁ、こんな先生に出会えてよかった。そう思った瞬間だった。

私が結婚したことを報告すると、先生はすぐに
「妊娠の可能性もあるから薬を変更しましょう。ただ、妊娠を希望するかどうかをご主人と話し合って決めてくださいね。病気の状態を見ながらタイミングをみたいので」
と言った。妊娠は希望しませんとアッサリ言う私を苦笑いで見ながら、
「ご主人とも話し合ってみて。希望したとしても、あなたの病気のことがあるから妊娠自体非常に難しく、更に出産に至る可能性も高くはないの。それもご主人とよく話し合ってくださいね」
と言うのだった。

話し合っても子供が欲しいねという話になることはなかった。
夫も子供好きなわけではなかったし、私の病気を考えてもわざわざリスクのある方を選ぶ必要はないと思っていたのだろう。
義母はどう思っていたかわからないが、私の父は私の病気がわかってすぐに
「将来子供を産むのは諦めなさい。無事に産まれるかわからない子供のためにおまえが悪化するかもしれないのだから」
と言っていたので、孫の顔が見たいとは思っていなさそうだった。私は子供が欲しいとも思っていなかったから諦めるまでもなく、父が私を心配してくれていることが嬉しかった。

そんな状態だったある日、妊娠したことを知った。それはまた別の機会に書くとして、妊娠したというのは大騒ぎだった。

たぶん私が一番驚いた。自分は妊娠しないと思い込んでいたからだ。
主治医に連絡して、これからどうしたらよいか相談した。幸い体調としては落ち着いていたので妊娠しても大丈夫な頃だったらしいのだが、妊娠確定したその日に薬の内容は変わった。
「今日からコレとコレは飲むのやめてください!」
と焦っていう先生の姿、病気持ちの私が妊娠したということのリスクを真剣に話す姿、今まで見たことのない先生の緊迫した表情から、自分の妊娠はとてもリスクが高いのだと感じた。

そしてそのリスクについては、その後通院することになる産婦人科の先生からじっくりこっくりと説明されることになる。
長くなるので、また今度。