電車の中の会話
通勤電車の中、小柄な女子高生と後輩らしき男子高校生が話している声が響く。他に話している人がいないからよく聞こえる。
後輩くんはすらっと背が高く、先輩女子高生に「〜っすよ」という言葉で話していることから先輩後輩の関係に見える。実際は違うかも知れないけど。
私以外にも近くに座っている人が聞き耳を立てていることがわかる。怪訝な顔で見てるから。
会話の内容は大体こんな感じだ。
後輩男子「予備校行くのはまじやめた方がいいっすよ」
先輩女子「え?なんで?」
後輩男子「だって予備校行ったやつって軒並み落ちてるんすよ」
先輩女子「え!そうなの?」
後輩男子「そうっすよ。だいたい、高校とおんなじなんですよ。行く意味ないっすよ。高校だってセンターまでに範囲終わんないじゃないっすか」
先輩女子「え?終わらないの?○○(進学校)でも?」
後輩男子「終わんないっすね。○○(進学校)も終わんないし、終わるとしたら△△の特進コースだけっすよ」
こんな会話が続いた後、今度は就職の話になったらしい。
後輩男子「銀行はだめっすね。高学歴掃いて捨てるようなとこですよ」
先輩女子「え?どういうこと?」
後輩男子「早稲田慶応なんて7・8割の世界だから高学歴ばっかりで、大量に高学歴とってるけど大量に辞めること前提なんすよ。東大出てないと銀行ではだめっすね」
先輩女子「と…東大かぁ」
後輩男子「あと、理系にするなら理学部はやめた方がいいっす」
先輩女子「そうなの?なんで?」
後輩男子「理学系は就職ないすもん。教員くらいですよ。行き先ないからやめた方がいいっす」
とまあこんな調子の話が続く。
しばらくして、女子高生が先に電車降りた。
先輩女子「なんか色々教えてもらってありがとう。参考になりました」
後輩男子「いいっすよ」
この2人の関係、本当に先輩後輩だったのだろうか………。なぞ。
そして男子の情報源、なぞ。