みずたま色の空

こどもやごはんや日々のこと。

妊娠中の薬 SLE

先日ふとこのブログに来てくださる方の検索キーワードを調べたら、SLE関連が上位を占めていた。特にSLE患者の妊娠出産に関することが知りたくて来てくれる方が多い様子。ありがとうございます。
こんにちは。SLEと診断されて10年目の私です。

思えば、最初の病院でちゃんと診断名を告知されず、内科外来の先生がメモ用紙に走り書きしたSLEという文字を見てから、もう10年も経った。
SLEって何だろうと思ってネットで検索して、このページを読んだのも10年前。
難病情報センター | 全身性エリテマトーデス(SLE)
そして上記のページ、最下部にある

薬剤反応性、予後 現時点では、副腎皮質ステロイドがこの病気の治療には不可欠の薬として知られています。この薬が使われていなかった1950年代に比べ、病気のコントロールは飛躍的に進歩しました。この頃には、発症して5年以上生存する人は50%程とされていましたが、現在では95%以上にまで改善しています。

これを読んで、「ステロイド様様!5年以上生存率50%は怖い…」
と思ってから、10年。無事生存している。


病態は様々、十人十色なこの病気なので、妊娠出産による影響も人それぞれだそうだ。薬も人それぞれ。参考になるかわからないけれど、薬についてまとめておく。

基本的に妊娠中は病気が影を潜めたように調子が良かった。よくある話らしい。お腹の子を守るために体が火事場の馬鹿力を出すのか、妊娠中は血液検査の結果が良くなって症状が治まることが多いそうだ。

それでも薬は飲む。
私の血液は状態が均一ではなく、あるところはサラサラ流れて血が止まりにくいし、あるところは血が固まりやすくて血栓を作ってしまう。全身の中でランダムにそういうことが起きているそう。だから普段からバイアスピリンという血を流すための血栓予防の薬を飲んでいる。

29週から切迫早産で入院し、張り止め以外にヘパリンの点滴もずっとしていた。ヘパリンも同様に血を流すための薬だ。切迫早産は寝たきりなので血栓が出来やすい。それを予防するための薬だった。

一般的に妊娠中は薬は飲まないようにと言われている。風邪をひいても「自力で治してください」とか言われて薬は処方されなかったりする。

けれど、血栓が出来てしまっては母子ともに超危険というわけで薬は使用していた。

他には、普段から飲んでいるステロイドも飲んでいた。量は少ない、2mgだったか?

これは病気を抑制するためのもの。胎児への影響はないということで続けていた。


その他は飲むのをやめた。
骨粗鬆症予防のビタミンDもやめた。
薬で胃が荒れるのを防ぐ胃薬も。


退院前にヘパリンはやめた。
しばらくしてバイアスピリンも止められた。
出産時の出血量を考慮してのことだった。どちらの薬も血を流すためのものなので、服薬していると血が止まりにくいのだ。

32週か34週くらいまで娘は逆子だった。このまま逆子だったら帝王切開になる…という話の時も、やっぱり薬の調節の話はよく出た。
帝王切開ならヘパリンもバイアスピリンも止めないといけない。薬の影響は1週間は血液に残っているので、やめてから1週間以上空けての手術になるなど。1週間というのはどちらかの薬で、もう片方はそれより長いか短いか忘れてしまった。


こんな曖昧な情報でも、誰かの役に立てば。

抗リン脂質抗体症候群でヘパリンを自己注射している妊婦さんも見るかなぁ。

私も抗リン脂質抗体症候群持ってます。だからヘパリンが登場しました。
あの注射、ものすごく痛いです。打ったところが固く固くなっていく。
私は入院してから打ち始めて、しかも看護師さんに打ってもらっていたから甘い。自己注射されている方、痛くて辛くて大変ですよね。
しかも私、ヘパリンの注射で腕も太腿もカチカチに固くなって、切迫早産だからベッドに横になっていないといけないのに痛すぎて横になれず、「限界です…」と訴えて注射じゃなくて点滴に変えてもらいました。

なんだか痛いことや気がかりなことが色々ある、SLEや抗リン脂質抗体症候群の妊娠だけど。
お腹に命がいる奇跡や、自分が生きている奇跡、医療スタッフの皆さんに支えられていることを感じられた時間でした。


柄にもなく、最後はですます調になっちゃった。