みずたま色の空

こどもやごはんや日々のこと。

破水の記憶(切迫早産)①

久しぶりに妊娠体験記を。
もう3年も前になっちゃうから、ほとんどのことがうろ覚え。妊娠中どころか産後のこともうろ覚え。この間も、夫ははっきり覚えていた産後しばらくの話を、私はもうすっかり忘れていて「そうだっけ?」と返す始末。
特技は忘れることです。


そんな勢いで忘れていくから覚えていることだけダダッと書いておく。

妊娠中、雑誌を見たり、ネットを見たり、病院から配布された冊子を読んでいるとよく書いてあるのが
「入院の準備をしておきましょう。必要なものはバッグに詰めてスタンバイ!」
とか
「初めての赤ちゃん。何を揃えればいい?」
とか、産前準備のこと。
産前準備って大事。だって子供が産まれてからでは買い物もろくに行けない。ネット通販のある世の中で助かったと心から思ったのは子供を産んでからだ。

だけど私は「そろそろやらなきゃ…」と思いながらもなかなか買い物に行かなかった。安定期のない妊娠ということでいつどうなるかわからないと常に思っていたから、いざ準備を始めてから何か起きてしまったら、自分が耐えられないだろうと思った。万が一のことが起きてお腹の赤ちゃんを失うことになったら、赤ちゃんグッズが揃った部屋に足を踏み入れることも出来ないと思った。
そうなることが怖くて仕方なかったから、ギリギリまで買い物はしないつもりだった。


そうしているうちにお腹はグングン大きくなり、8ヶ月というところまできた。

次の週末、さすがに8ヶ月だから準備を始めなくては。

やっとその決心がついて、土曜日になったら買い物に行ってみよう、入ったことのない西松屋とかいう子供用品が売られているらしきお店に行ってみよう。そう思っていた。


明日はその土曜日という金曜日のこと。病院の健診日で会社は休み。夫も休みをとってくれていた日。
朝布団の中で目が覚めて、夢の続きのようなほわわんとした気持ちのまままどろんでいた時、異変に気がついた。

なんか、パンツが濡れている気がする。明らかに生温かい。

まさかと思ってトイレに行き、パンツを下ろすと下着は真っ赤な血で染まっていた。少しの出血ではない。下着が真っ赤に染まるほどの血が出ている。更に透明な生温かいお湯のようなものも。


破水だ!!!!


トイレから出て、まだ寝ている夫に声をかけた。
「すぐに起きて!破水した!すぐに病院行かなくちゃ!」
夫はビックリしながら飛び起きた。
夫が起きたのを確認して、自分は生理用品の夜用ナプキンをつけ、病院に電話。
「とりあえず外来に来てください」
といわれて予約時間よりやや早く病院に行くことになった。
車の中ではバスタオルを敷いて体を横にして、高速道路も使って35分くらいで病院到着。
夫が病院のロータリーに車をつけてくれて降りたものの、産婦人科は一番奥。廊下の手すりにつかまりながらソロリソロリと歩いて行くが、明らかに温かいものが流れ続けている。

お願い!
これ以上流れないで!!

ひたすら祈りながらなんとか産婦人科外来に着いた。
電話もしてあって、外来でも破水してると思うと話したけれど、看護師さんたちは慌てる様子もなく
「とりあえず体重測ってください」
といつも通りの対応。
そうこうするうちに内診室に呼ばれて担当医が内診し、
「羊水が出ているか検査しますが、これはおそらく破水していますね。歩かないでください。車椅子用意して!!」
となった。慌てる看護師さんたちにオイオイと思う私。もうめっちゃ歩いちゃったよ。外来に電話しても普通に外来まで来てくださいとしか言われないんだもの。


そうしてその日から、切迫早産として約2ヶ月の入院生活が始まった。長くなったので続きはまた。