みずたま色の空

こどもやごはんや日々のこと。

家族経営の飲食店に思うこと

タイトルでは家族経営と書いたけれど、家族経営に限ったことではない。ただ、家族経営の方がありがちかなという話。

家族経営のお店でちょっと不快な思いをしたことが何度かある。
先日娘と2人でランチに行ったあるカフェのこと。そこはパン屋に併設する形でカフェがあり、パンを買ってドリンクを頼んでカフェで食べられる。おしゃれでかわいさもある内装。入店してすぐにテンションが上がるお店。
そのお店は何度か行っているけれど今回は久しぶりだった。新鮮な気持ちでパンを見ていたら、65〜75歳くらいのおばちゃん(店主のお母さんと思われる)がちゃきちゃきと動いてレジを打っている。せっかちそうな雰囲気でスピードは早い。お客さんが何か言うと、終わりまで聞かずに「ハイハイ」と答えている。
私は子供を抱きながらパンを選んでいたので、レジの脇にトレーを置かせてもらった。
「すみません、持てないのでちょっとここに置かせてください」
「ハイハイ どうぞ」
というやりとりをして、他のパンを選びに行ったが、もうレジを打っている。他のパンを選ぶ前に
「お会計は◯◯です」
と言われたので、もういいやと思って他のパンを買うのはやめた。
カフェで食べるパンを指示している間も、
「これと、これと…」
「ハイ ハイ これとこれね」
と言って他のパンは袋にしまわれてしまい、まあいいやと思っておばちゃんがトレーに残したものだけ食べていくことにした。

おばちゃんはいたってマイペースでせっかち。半分くらいしかこちらの話を聞いてない。かわいい店内とは全く違う、せっかちな親戚のおばちゃんと接しているような感覚。
しかしこれが意外と良くて、おばちゃんがトレーに残した量は適量でちょうど娘と食べられたし、娘用に「普段はやってない」ストロー付きのカップでお水を出してくれたりした。やるなぁおばちゃん。現役バリバリだなぁと思いつつ見ていた私。

それはいいとして、家族経営ならではの嫌な点が見えたのは店主らしき男の人(多分息子)とおばちゃんのやりとり。
「おい!持ってかねーのかよ!」
という大声が、オシャレなガラス張りの厨房から聞こえた。慌てて取りに行くおばちゃんに
「ったく、何やってんだよ!」
と言う声。
せっかくのかわいい店内。せっかくのオシャレなガラス張りの厨房。そこで息子達のためにせっせと働いていると思われるおばちゃん。ちなみに店内では5歳くらいの男の子が遊んでいてみばあちゃーん」とか言ってるのもおばちゃんは相手している。
そこに来て厨房からの罵声はお店を台無しにしてるなと思った。ここは家の中じゃない。なんてもったいないのか…と残念な気持ちになった。罵声を聞きながら食べるのはいただけない。そういうのはお客様のいないところでやるのがプロだよな…と思う私。

違うパターンで以前不快だったのは、新規開店したばかりの中華料理屋で息子が腕を振るい母親が接客していたときのこと。
貸切の宴会で行ったお店で、みんなビールや紹興酒を飲んでご機嫌になりながら話に興じている。
その中を宴会コースの料理が次々と出てくるが、飲むのと話すことに夢中でなかなかみんなの手が伸びない。ちなみに私は自分の分は全部食べる派なので、飲むのはそこそこに料理を食べていた。
宴会で料理に手が伸びないことにイライラした母親(接客担当)は、話している人たちの間に割り込んで
「これは息子が作った◯◯です。すごく美味しいんですよ」
と言って歩き始めた。それでもなかなか食べない客達にしびれを切らし、みんなの取り皿に勝手に料理を山盛りに取った。さすがに話し込んでいた人たちもおかしいと気がついて、
「あとでゆっくりいただきますから」
と声をかけるが、母親はもうそれを無視して取り分けている。宴会は2.5時間の飲み放題付きで、その時点でまだ1時間程度だった。
山盛りになった取り皿の料理もなかなか減らず、ついにキレた母親は大きな声で
「料理を食べてください!息子が作った料理です!」
と言い出した。
その日は送別会も兼ねていて、みんなからメッセージを伝えたり、本人が挨拶して回っていたりして、みんながゆっくり席で食べるのはそれが落ち着いてからだったがもう待ちきれなかったようだ。
料理は美味しかったかもしれないけれど、その母親の印象が強すぎて味が記憶に残らなかったし、2度と行かないだろうなと思う。
私はとにかく食べに食べて、お腹がはちきれそうになりながら帰ったことを覚えている。
息子が作った料理を食べてもらいたい気持ちはわかるけれど、それを前面に出しすぎた母親の残念な接客だった。あの店で宴会は受けない方がいいと思う。