みずたま色の空

こどもやごはんや日々のこと。

マタニティマークの話

今朝は暴風雪だ。雪はさほどでもないが風が酷く台風のように吹いている。外を歩いていると雪が顔に叩きつけられて痛い。砂利が飛んできているような痛さだ。

モコモコのダウンコートを着て電車に乗り込んだら暖かくてホッとした。こういう悪天候の日や冬場は電車が混みやすい。今は育児短時間就業で出勤を遅らせているため出勤ラッシュの電車は避けられるので座れたが、そういえば妊娠中は座れないこともあって辛かったな…と思い出した。


妊娠中に私は引越しをした。
引越し前は通勤電車に乗るのは10分程度で、駅まで20分くらい歩く経路だった。その歩く道も行きは夫に駅まで車で送ってもらったりして、帰りだけ歩くことが多かった。
電車は通勤通学の人達でギュウギュウ詰めで、ぐいぐい押されて挟まれながら立っているのがやっとという状況。2つくらい先の駅で一気に空いてくるのだが、席に座れるほどは空かなくて立ち続けることが日常だった。

賛否両論あるマタニティマークだが私はバッグに付けていた。
そのマタニティマークを見て席を譲ってもらえたことは2回だけ。若いスーツを着た女性と、女子高生だった。
2人とも優先席ではなく普通の席に座っていて、私に気が付いて変わってくれた。

先程の満員電車ではいつも優先席の前に立っていた。優先席にはビジネススーツを着た50代くらいのサラリーマンがいつも座っていたが、私のマタニティマークをチラッと見て、私の顔もチラッと見て、舌打ちするような顔をして携帯に視線を落とした。
その人の隣は日によって座っている人が違ったが、誰もが皆、マタニティマークに気づいても、お腹が大きくても、席を譲る気は全くなかった。
満員電車で確保した椅子は誰にも渡したくないかのように座っていて、寝ているか携帯を見ている。寝ている人はそもそも気づかないだろうし、携帯を見ている人も下しか見ていないので気がつかないことがほとんどだった。


引越してからは駅までは車で、電車に乗る時間は40分弱と遠くなった。さすがに40分立ちっぱなしはとても辛くて座りたかったが、誰も席を譲ってくれる人はいなかった。優先席にはいつも男子高校生が賑やかに座っていたし、やはり人々は寝ているか携帯を見ていて顔を上げる人はほとんどいなかった。
立ちっぱなしにならない電車にしたくて時間帯の早い電車や特急も試したが、どれも混んでいる上に「いつもの席」がみなさん決まっているようで、毎日決まった席に同じ人が座っているように見えた。イレギュラーに乗る人は立っているようだ。私も立つしかなかった。

結局その通勤を1〜2週間続けたところで医師に相談し、通勤時間を遅く出来るように会社へ文書を出してもらうことになった。会社も承諾し、少し遅い電車に乗れるようになってやっと座って通勤することが可能になった。
40分立っていたときは会社に着く頃には息切れがするほど辛かったので通勤ラッシュからずらしてもらえたことは本当に助かった。
この、電車で誰も席を譲ってくれない話を医師と助産師さんにしたら
「え?マタニティマークつけてるのに誰も譲ってくれないの?」
と非常に驚かれた。普段から妊婦を支える仕事をしている人にとっては当たり前のことで、今の日本の社会では当たり前ではないことを実感していなかったようだ。日本は妊婦にも子育て中の親にもそんなに優しくはない。

マタニティマークは一暼されるだけのことが多い。だから何?と言われているかのような顔で見られたり、知らんぷりされることなんて日常だった。見て不快な気持ちになる人も当然いたのだろう。
出産を経験している人でも妊娠中何も問題なく産んでいれば問題のある妊婦の気持ちはわからないだろうし、逆に
「たかが妊娠でそんなマークを付けて主張するなんて」
と思う人もあったかもしれない。

私は問題のある妊婦だったので、マークをつけておくことは何かあったときのために必要だと思っていたからつけていた。
もし外出先で倒れても、マークがあれば妊婦だと気付いてもらえるかもしれない。それだけで医療関係者にとっては重要な情報提供になるのではないかと思う。
問題のない妊婦さんも、そういう意味ではつけた方がいいと思う。特にまだお腹が大きくならない頃は外見では妊婦だとわかりにくい。妊婦には使えない薬は沢山あるし、自分に何かあったときにお腹の子のことを一緒に診てもらうためには何かで伝えることが必要だ。
マークを付けるのは抵抗があるという人は、持ち歩くバッグに常に母子手帳を入れておくのもいいかもしれない。

妊娠中に不快な思いをすると出産が嫌になるし子育てもイライラしやすい。
短い妊娠期間より長く長く続く育児期間のためにも、妊娠中の負担は少ない方がいいと思う。
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