メールは意味をなさない話
私の職場は恐らく平均年齢50歳かそれ以上という高齢な職場なので、色々と驚くことは多い。
そうなるとこんな名言も飛び出してくる。
「データは消していいよ。紙で保管してあるから」
これを言われた時は目眩がしたけれど、これがこの会社のやり方だった。
事実、みなさん紙保管が大好きだし慣れているので、その不便さはあまり感じない様子。大量のファイルから目的の紙1枚を探すスピードは私の倍早いと思う。データなら検索できるのに…とか思う私よりも、ものすごい早さと勘で目的の紙を見つけ出す皆さんの方がこの会社では優秀だと思う。
時代が時代なのでみなさんパソコンは使える。書類もガンガン作っていてすごいなぁと思う。
全部紙だった時代からパソコンに移り変わる時期を働いてきた方達なので、もちろん学校でパソコンを覚えるなんてことはなく、四苦八苦しながら覚えてきたのだろうと思う。
パソコンがあって便利だという気持ちも当然あるようだ。
みなさんが当たり前にパソコンを使っている&紙の使用量削減のためにプリントアウトは最低限にするようにと通達されているとこで、私は色々な連絡をメールで送っていた。最近は各種書式の変更を担当しているので、月に何度も書式変更をする。都度連絡しているとわけがわからなくなりそうだったのである程度まとまったらメールで連絡、更に1部印刷して回覧を回した。
ちなみに回覧もたくさん回ってくる会社で、ほぼ毎日何か回ってくるし、多い日は4つくらい回覧がくる。
さて、そのようにメール&回覧、更に1回全員集まって変更点の勉強会まで行ってから1ヶ月ほど経ったある日のこと。先輩からこういう話を聞いた。
「書式の変更がどこがどう変わったのかわからなくて、なんでそう変わるのかの本意もわからないって話になってる。メールきてると言っても見てないから伝わっていない。回覧もその場でちゃんとは見ないし、結局コピーしてたりする。紙でもらって説明してもらわないとわからないって話をしてた。だから何かを伝える時は全員に紙を配って、全員席にいる時に声かけてその場で説明したほうがいいよ。メールじゃなく、紙と口頭で説明しないと伝わらないから」
私が帰った後にそういう話が出たのだそうだ。
先輩に言ってもらえなかったら私は知らずに今後もメールしていたわけで、教えてもらえて良かった。
勉強会もしたし、都度聞かれる質問にも答えているけれど、結局皆さん忘れてしまうし理解するところまでこちらも説明出来ていないということなんだろうなと思う。
そしてこの部署では、大事なことを伝える時にメールは意味をなさないのだなとわかった話だった。
伝わらなければメールしても意味がないので、これからは紙と口頭で説明に切り替えようと思う。普段図書館のように静まり返る職場なので、「はい皆さん今から説明しまーす!」と声を上げるのはちょっと勇気がいる。私は営業部にいるので、全員揃うタイミングを見逃さないのがカギだな…。